第5章 ❤︎ 三日間ハメまくった記録 黒尾鉄朗
部屋に戻ってコンビニで買った酒やおつまみをテーブルに広げる。既に酔いも回ってたけどこの雰囲気のままでいたくて真新しい日本酒の瓶を開ける。いちかの頬もほんのりと色付いて俺の肩に凭れる体から体温が伝わってくる。
「あー、日本酒って美味しいけどさ、結構きちゃうね」
「それがいいんじゃん」
「うん。この酔った感じ、すごく好き」
「次の日地獄だけどなー」
「いいじゃん、どうせ明日も休みなんだし。明日は昼まで一緒に寝てようよ」
「最高の休日の使い方だな」
そう答えるといちかは嬉しそうに笑って腕にしがみつき顔を埋める。
「なんだよ」
「なぁんか鉄朗と居ると落ち着く。…前から知ってるからかな?」
「そうなんじゃねぇの?仲も良かったしな」
「そうだね。甘えちゃってごめんだけど、でももう少し我儘付き合ってね」
「いくらでも付き合ってやるよ」
いちかの頭をくしゃっと撫でるとまた嬉しそうに表情を崩す。素直な反応にキスしたい衝動に駆られてそのまま唇を押し当てた。いちかがゆっくり目を閉じる。ちゅ、ちゅとリップ音を奏でキスを交わしながらソファーへ押し倒してせっかくいい感じの空気なった時、いちかのスマホの着信音が鳴り響く。
「なぁ…電話鳴ってるけど?」
「ごめん、ちょっと、待って」
「ん…」
彼氏だったら嫌だなって一瞬思ったけど、こういう時の勘って妙に当たる…。
「こんな時間に誰だろう、……って、あ、彼氏だ」
「なんだ、……良かったじゃん」
って平然を装ってそう返すけど実際全然良くねぇ…。彼氏って言ったって彼女一人置いて寂しい思いさせてんのに彼氏なんて言えるのかよ。