第5章 ❤︎ 三日間ハメまくった記録 黒尾鉄朗
「まぁ、あと二日は俺とのセックスだけ考えてればいいんじゃね?」
「そうする。帰ってからもするの?」
「しねぇの?」
「する」
「結局やるんじゃん」
「鉄朗から言ってほしかった。だって私ばっかりがしたいって言ってたらフェアじゃないもん」
「そういうもん?」
「そういうもんだよ」
「はいはい。分かりましたー。んじゃ俺も欲に忠実になるわな」
「そうして?今は彼氏の事、忘れてたいから」
“彼氏を忘れたい”なんて台詞、独り身の俺に言うのは狡くねぇか?こういうあざとい女って同性からはよく思われねぇのかもしれないけど男からすれば奪ってくれってチャンスそのもの。俺だって男。男を煽るには十分な材料でその甘い誘いにまんまと乗りたくなる。大人になってそれなりに落ち着いてはきたけど根底にある欲深い愛情と独占欲はなんら変わってない。
「ま、俺でいいならいいように使って?」
「うん…。ありがとう、鉄朗」
この三日間が終わった後、真面目な彼氏とやらに物足りなさを感じて俺に寝返っちゃえばいいじゃん。
「いいよ。俺も楽しませてもらうし」
「うん、そう言ってくれたら私も嬉しい」
「んじゃ、帰ろうぜ。まだ夜は長いし」
「そうだね、コンビ二寄ってお酒も買ってこうね」
こうやって無邪気に笑ってんのも今だけ。
振り向かせるための絶好のチャンスしかないから。