第38章 ❤︎ 業の深い生命体 及川徹
「初めてだろうが何だろうがセックスに関しては主導権とりたい。及川にばっかりされっぱなしって嫌だもん」
「あ、そこ……、よかった、今になってお預けくらうのかと思ったよ」
脱がせかけた衣服を自分で一枚ずつ脱いで惜しみなくその裸体を目の前で晒してくれる。整ったバスト、きゅっとくびれたウエストライン、ここまで堂々と見せつけられるともはや貫禄すらある。
「最近、ちょっと太っちゃったんだよね」
「えー?そのくらいの方が全然いいよ」
「前の前の前の彼氏は全裸に紺ソがいいとかわかんない注文つけてきたけど及川はそういうのないよね?」
「靴下より素足が好き」
「ならいいわ。靴下のまま踏んでくれってどんだドMだった」
「だって柳瀬ちゃんSッ気たっぷりじゃん。そりゃMだったら嬉しいだろうね」
「でも変態は嫌、お断り」
そう言って口角を上げる彼女。ちゃんと経験値積んで置かないと返り討ちに合っちゃうような、そんな小悪魔なラスボス感を漂わせていた。
「及川…、そこ立って?」
「立つの?」
「舐めるから」
「ほんと?ラッキー」
女の子から積極的に奉仕されるなんてこの上ない幸せ。
「あんまり好きじゃないけど…、やる前の事前チェックね」
「期待に応えてあげられないかも知れないけど普通だから」
制服のズボンを下ろし硬くなったものをじっと見つめる。上目遣いで俺を見ながら“……ほんとに普通”とそう意地悪く呟く。
「要は使い方だから…」
「はいはい」
それでも満足気に笑うと指で上下に扱きながら舌を這わせていく。前回の彼の存在があったからまだ救われたのかも知れないけど、このままでは終われないよね……。
でも、思わず息をのんで耐えなきゃいけないくらいに今までの子達とは違って明らかに上手だった。