第38章 ❤︎ 業の深い生命体 及川徹
「あー…、バレてた?一回したら諦めますって言うから付き合ってただけなんだけどね」
「へぇ…鬼畜だね、及川も。そんな切ないお願いならせめてベッドとかでさぁ」
「俺もそう思ったんだけど、優しくされると忘れられないからあえて冷たく酷く扱ってくださいって」
「…ませてるね、その子。ちょっとヤバい系だよ」
「岩ちゃんになんか言ったら半殺しにされそうだから黙っててね」
「半殺しじゃ済まないよ。あの世へ最短ルートでいけるわ」
「だからこんな話、柳瀬ちゃんにしかしないんじゃん。同業者の闇みたいなもんだって」
「クソビッチとヤリチンのねー」
「でもヤったことないよね?」
「そもそもそういう発想にならなかったもん。いつも相手いたし」
「じゃあしちゃう?」
「及川は今フリーなの?」
「それ言っちゃうと折角柳瀬ちゃんとエッチ出来そうなのにできなくなっちゃうじゃん」
「ってことは私が深読みしなきゃいいって事?」
「お察しの通り」
「私も及川とヤってみたいなんて今まで一回も思った事なかったけど、でもいいよ?
「素直に喜べない返答だね」
「じゃあやめとく?」
「いや?ミス青城のお相手出来るなんて光栄な事だから、是非よろしく
「でもどこでするの?」
「あー、じゃあ部室行く?」
「いいけど、男子の部室とか臭そう」
「そこは否定できないけど、教室よりマシじゃない?」
「今は使ってないの?」
「今日は部活休みだし、鍵は俺しか持ってない」
「職権乱用で異性交遊?」
「だってせっかく夏も始まるんだし、いいスタート切りたいじゃない?」
「その考えよく分からないけど今さ、そんなにしたい気分じゃないから…、頑張ってその気にさせてね」
短いスカートから覗く太もも。足を上げたときに一瞬だけ見えた水色の下着は一時のSummerDreamの始まりを告げた。