第38章 ❤︎ 業の深い生命体 及川徹
「それ、酷いね。完全に見た目じゃない」
「それでも恰好良かったし優しかったんだよ。あっちは小さくて全然気持ちよくなかったんだけど、前戯とかすっごく丁寧で小さいのを除けば結構よかったの」
「俺そこまで聞いてないよ?男の下半身情報なんて興味ない」
「でも大事じゃん。徹だって清楚そうな見た目の女子がガバガバだったら嫌でしょ?」
「んー…、それはいろいろ勘ぐっちゃう案件だよね」
「でしょ?エッチに自信持ってる感じだったから期待してたんだよね。で、パンツ捲ったらこの程度かよって思っちゃて…」
「…そんなに?」
「ぶっちゃけ、…お弁当用のウインナーくらい」
「ああ……そうなんだ、…うん、そっか。そこはさどうしようもないデリケートな問題だからあんまり言わないであげてね。俺も聞かなかったことにするから。2組の橋本君はお弁当用のウインナーサイズだなんて…」
「しっかり復唱までしてんじゃん」
「でも柳瀬ちゃんの容姿まで変わっちゃうんだから橋本君って凄いよね。相手に合わせて自分のスタイルまで変えるって本当に好きじゃなきゃできなくない?」
「そうなの、だから結構好きだったんだろうね。今でもお肉コーナーに寄ると思い出すの。橋本君の事…」
「それさ、俺も思い出すね。今度からどんな目でウインナー見ればいいのさ」
「じゃ思い出してあげて、橋本君の事を」
「ああもう、聞かなきゃよかった…。早く忘れよ」
「私も忘れたーい。前髪だってこんなに重くするの初めてだったけど鬱陶しいから切る。カラコンももういらない。黒目が大きすぎて気持ち悪い」
「前に戻す?」
「戻すよ。彼氏も面倒だからしばらくいらない。適当に遊んでくれる子ならいるし」
「不健全だね…」
「及川も私と同類でしょ?この前、体育館裏のトイレで1年の子としてたでしょ?」