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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第38章 ❤︎ 業の深い生命体 及川徹


同じタイプの人間だからって今まで避けてきたのに、こんなプリティチャンスがあるんなら一度お試ししたいって思っちゃうじゃない?




夏休み初日の人気の少ない校舎は補習組以外の生徒は見当たらなかった。誰も居ない教室で動画再生される流行の曲と机に散らばった化粧道具。気も緩んできた午後は強かな下心が見え隠れする。

「なーにしてんの?」
「……見たら分かるでしょ?化粧」
「そんなに盛ってこの後デート?」
「暇だからやってただけ」
「デートとかじゃないんだ。へぇ、珍しい。………最近どうなの?」
「何が?」
「彼氏と?」
「は?別れたし」
「え、早くない?前聞いた時付き合い始めたぁって惚気てなかった?」
「だってフラれたんだもん」
「理由は?」
「思ってたのと違うって」
「性格?」
「あれじゃない?すっぴんとメイク後のギャップに引いたんじゃない?それを言うと傷つくからって遠回しに言ってたけど、私のすっぴん見た時に明らかに顔が引きつってたもん」
「ええ、そんなに酷いの?」
「私の二重ってアイプチだからメイク落とすと目が半分になるの。今回の彼氏は大丈夫って思ってたんだけどとんだクソ野郎だったわ」
「なんたってミス青城だからねー。それが作りもんだと分かるとそりゃ引くよ」
「ムカつくよね、勝手に好きになって勝手にフってくんだから」
「でもそれでへこたれる柳瀬ちゃんじゃないでしょ?告白待ち何人もいるんじゃない?」
「そうなの。なんか知らないけどこのウサギメイク?可愛い系のメイクにかえたらめっっっちゃモテるの。街でよく声掛けられるの」
「俺は前の大人っぽい系がいい」
「私だってそっちの方がよかった。けど前の彼氏は量産型の可愛い系が好みらしくて、みんな似たようなファッションの中でも可愛いって自慢できるような彼女が欲しかったんだって」
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