第36章 魔法にかけられて 宮治
「そうする。ってか一緒におりたいから今日から住んでもええな」
「気が早すぎるって」
「そしたら寂しないやん」
「せやけど…、もう、あほ」
恥ずかしそうに照れながら視線を逸らす。そんな顔見せるから離れたくないし、離れられんようになるんやって。
「あ、東の夢の国の特集してる」
「ほんまや。ちゅーか夢の国好きやな」
「だって女の子の夢やで?ここからやと遠いしなかなか行けんけどやっぱり憧れる。あの場所に一歩踏み入れたら見えるもん全部キラキラに輝いてるんやろなぁ」
「そんなに行きたいなら行く?」
「やから遠いって。私はこっちにもある西の夢の国で十分やで」
「ウニバ?」
「そう」
「そこは何回も行ってるやん」
「でも近いやん。何回行っても飽きんし楽しいし。憧れは憧れでええわ。いつか行けるやろ?」
「けど向こうとはまたコンセプトが違うやろ?」
「まぁ…、それは確かに…」
「ウニバも初めはちゃんとしとったけどなー。ATとかバックトゥザ未来とか映画の世界まんまやったやん?けど最近はクールNIPPONとかでコラボしまくり祭り状態…」
「でも私はクールNIPPON好きやけどな…」
「何でもありにしてしまう懐の広さ、関西人の癖の強さやな」
「癖の強さって。でも確かにそう言われたら東はブレんよね」
「だから行く?」
「いつ?」
「明日と明後日で。今から飛行機予約して」
「こんな時間からチケット取れる訳ないやろ?」
「調べてみんと分からんやん」
スマホを開いて専用ページで航空券のチケットとホテルを探す。繁忙期ではなかったおかげで早い時間の便を見つけて、近くのホテルもついでに予約。
指定された金額にいちかは驚いとったけど、この際金額とかどうでもええ。行きたいと思った時に行くのが一番。