第35章 ❤︎ HOW TO SEX 木兎光太郎・赤葦京治
「木兎さんは一旦そのままで動かないでください。いちかもまずちゃんとリラックスして」
「無理だよ」
「でも今、半分くらいは入ってるから後もう少し。ここに来たのは俺たちのためじゃないだろ?」
「……うん」
「目閉じて木葉のこと、考えてたらいいから」
「え…なにそれ、ツラい…」
「あんたは黙っててください」
「いちかは木葉のために頑張ったと思う…本当に嫌だったら止めよう。木兎さんの言うことは無視していいから…。いちかはどうしたい?」
「………最後までする」
「うん……。なら頑張ろうか?」
「………うん」
ゆっくりと息を吸って吐きだすと体に篭っていた緊張が抜けていった。
「いちかちゃんいけそう?」
「……はい」
「優しくしてるつもりだけど優しくできなくてごめんな?」
「先輩は悪くない。私もごめんなさい…」
「じゃあ…、もっかいいくよ?」
見守っているつもりでいたのにきゅっと目を閉じたのを見て自然に口と体が動いてしまった。
「いちか、こっち見て?」
「…へ」
薄く開きっぱなしだった唇に唇を重ねた。痛いと言いたげに唇が動くのも全部飲み込むように荒く口付ける。少しでも痛みから気を逸らしてあげればなんて、そんな思いに駆られてしまった。
「…っ、……んんっ」
荒いリップ音がしばらく響いた後、木兎さんが息を吐き出しながら上体を起こす。