第35章 ❤︎ HOW TO SEX 木兎光太郎・赤葦京治
「いっ……たい、です」
「ごめん、でもまだ全然」
「うぁ……もう、無理、これ以上入らない」
「そうは、言われても…っ俺も引き返せない」
「抜いて先輩…っ」
「いちか、力抜いて」
「無理無理、痛いもん…」
「もうちょっとだから…」
「あっ、嫌、……痛いよ」
「ごめん、でも……っ」
「ね、もういいです…っ。処女のままでいいから」
懇願して訴えてるのに木兎さんは内太腿に手をかけて閉じようとする脚を広げる。諦めずに腰をいちかの腰がかすかに浮くとシーツに真っ赤な血液が滲みを作っていた。
「やぁぁぁ…っ」
悲鳴が部屋に響く。こんな辛そうな表情を見たら俺だったら可哀想になって途中で絶対に止めていた。でもこの人はさすがだ、欲に忠実すぎる。
「先輩のばか!痛いって言ってるじゃん」
「なんで怒んの!?俺だってちんこの先引っ張られて痛いの」
「じゃあもういいです!抜いて」
「嫌だ」
「もう無理。これで終わるぅ」
「待って、ここまできて抜くとか俺泣くよ?」
「私だって泣きたいもん」
「泣いてじゃん。ほんとごめんなぁ」
「謝るんならもういい…っ」
「ごめん!でも無理!」
いくら初めてとは言え本来はもっと情緒的な雰囲気なはずだ。目の前で繰り広げられているこのコントのようなやかましい性行為、俺は知らない。
「あんたたちうるさい…。いくらここがラブホだからって叫びすぎです」
「「だって…痛いんだもん(やりたいんだもん)!!」」
二人の声が重なり同じタイミングで俺を睨んだ。なんてカオスな光景なんだろう。