第35章 ❤︎ HOW TO SEX 木兎光太郎・赤葦京治
≫赤葦side
そしてその時が来た。じっくりと時間をかけて解したし後はもうこのまま最後まで突き進むしかない。ベッドサイドでゴムを着けている間に一度お水を飲ませると不安そうに俺を見つめる目が揺れる。
「そんな不安そうな顔しなくても…」
「だって怖いもん」
「なら木兎さんじゃなくて俺にしとく?」
「え…」
「ええ!?ちょ、それなんの冗談よ赤葦」
「嘘ですよ。本気で言うわけないじゃないですか」
「焦る…。ここで指名変更されたら俺次の試合まで引き摺るわ」
「そこは割り切ってください。仮にもエースなんですから」
「じゃあ俺の成功のためにも処女卒業しような?俺も準備できたし」
まだ不安そうないちかの頭を撫でて仰向けで寝かせた。深呼吸すら震えていて俺まで緊張が走る。
「じゃあ、初めよっか」
いちかを見つめる木兎さんの横顔もどこか緊張気味だった。
「え?こんなのが入るの?物理的に無理じゃ」
「大丈夫。穴は確認済みだから」
「色気のない言い方ですね」
「物理的にそうなってるって言いたかったんだよ」
「そうですか…」
「いちかちゃん、もう一回脚広げて?んでできるだけ力抜いてろよ?」
体を重ねるように前傾になり膣口を確認すしながら姿勢を崩す。“この辺かな…”と言った言葉に俺も息を呑むとその空間は静まり返った。
「京治…」
なのにいちかは俺に視線を移して俺を呼ぶ。
「なんでこの場に及んで俺の名前呼ぶんだよ」
「ごめん、何となく…」
苦笑するしかないけど無意識でもそれは狡い。今になってこの瞬間を木兎さんに譲ってしまっていることがすごく悔しく感じて唇に口付けた。
「可愛がってもらって?」
そんなのは俺らしくもない強がりなのは分かってた。でも今この瞬間はいちかのためにある。