第35章 ❤︎ HOW TO SEX 木兎光太郎・赤葦京治
≫赤葦side
あの時、俺が声をかけてなければこんな事にはなってなかっただろう。ここまできてしまったら後戻りもできない。三人の中で覚悟ができていないのは俺なのかもしれない。
「何でずっと黙ってるの?」
「いや、ちょっと気持ちが追いつていなくて整理してた」
「そうだよね。なんかすごい事になっちゃったね。まさか彼氏でもない同級生とお風呂に入るなんて思わなかった、京治は止めてくれるのかと思ったよ」
「お酒の勢いもあったけど…」
「他に何かあるの?」
「高校時代、俺はいちかが好きだったってのもあるかも…」
「………へ?嘘…」
「再会して色々話してて思い出したっていうか、今は木葉のものになったんだと思ったら嫉妬心が芽生えたというか」
「いつ?え?いつから好きだったの?」
「二年の頃から…。でもその時には木兎さんのことしか見えてなかっただろ?」
「うん…。でも先輩が卒業して泣いてた時ずっとそばにいてくれたのって京治じゃん」
「そう。あの時、一言好きだって言ってしまえばよかったなって何回かは後悔したけど」
「それは分かるよ。私だって同じだったもん」
「でも今は木葉といて幸せならそうなる運命だったんだと思うよ」
「ま、ちょっと間違いしちゃってるけど」
「そりゃこんな状況、普通なら有り得ないし…。でも昔の感情を思い出させたいちかが悪いってことで」
「私…?」
「でも無茶はさせないしできるだけ傷つけないようにはするから」
「ありがとう。昔からほんとに頼りになるよね、京治って…」
「慣れてるよ…」
とは言ったものの何をどう始めればいいのか…。木兎さんは考えなしだろうし
脱衣所からは待ちきれないのか“まだー?”と催促の声が聞こえる。
「ここまできたら俺も腹括るから。いちかそのつもりでね」
「うん…。お願いします」
俺だって興奮してないわけじゃない。こんな形で関係を持つ事になるとは思わなかったけどあの時踏み出せなかった過去にけりをつけるつもりで、どうせなら楽しませてもらうつもりだ。
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