第34章 ❤︎ かまって…? 縁下力
「積極的ですね」
コツンとおでこをくっつけて真っ直ぐに見つめる。
「うん。…しよ?」
「…でも、今夜はご両親がいるんじゃないんですか?いちかさんの部屋いは二階だし気付かれたら」
「気にしないよ」
「そこはさすがに気にしてください」
「じゃあ声我慢する」
「それしかないですよね。まだ学生だしホテルに行く余裕もあんまりないですし」
力君の言うように下に両親がいることを考えたら気は引ける。でもそんなことはどうでもよくて今は力君を感じていたい。もし私に本能があるなら、きっとこの感情のことだろう。
「できるだけ静かに…ね?」
「うん。…でももしパパにバレたら殴られてね?」
「……はい、分かりました」
萎えちゃうような発言に苦笑する。抱っこを強請るように両手を広げてみると優しく両腕が迎えにきてくれる。頼んでもないのにお姫様抱っこでベッドに運んでくれるて最大限に女の子扱いしてくれるスパダリのお手本のような彼氏だ。