第34章 ❤︎ かまって…? 縁下力
「私よりもずっと精神的に大人なのによく言うよ」
「いちかさんだってみんなの前ではこんなんじゃないのに…。でもこういう甘えモードないちかさん、可愛い」
「だったら全力で我儘言いたい」
「じゃあ一応聞いてあげます。何ですか?我儘って」
「しよう……?」
「ねぇそれ、我儘でもなんでもないんですけど…」
「そう?」
「でもいちかさんから誘ってくれるのなんて珍しい」
「でしょ?力君だって男の子だし溜まってるのかなぁって。大人しい男の子だって性欲はあるでしょ?」
「そりゃあ毎日したってし足りないくらいには…」
「めっちゃ旺盛じゃん」
「でも俺は体の関係がなくてもこうやって一緒にいるだけである程度は満足できますから」
「じゃあ今日はしていかないの?」
「ある程度満たされたら、もっと欲しくなるのも男の性ですけどね?」
「もう…、それならちゃんと言ってよ」
「したいですよ、俺だって。二人きりになったら嫌でも意識するし、今日だって先輩素足だからつい目がいくし勉強にも身が入らない…」
振り向いた力君にひょいと抱えられて胡座をかく足の上に座らされる。
「我慢してるのに誘ってくるから俺も簡単にその気になるでしょ?どうしてくれるんですか?」
いつも優しく笑って誤魔化す力君がちょっと憎らしかった。だって私の方がひとつ年上なのにその余裕に勝てる気がしないんだもん。だから今日は力くんの頬を押さえて逃げられないようにして沢山キスをしてやった。