第33章 ❤︎ コーヒーの香りと君の寝顔 東峰旭
「旭、動いていいよ?私もだいぶ落ち着いてきたから」
「うん…。でも苦しかったらちゃんと言ってね」
またゆっくりと動きをつけた。柔らかなに包み込むような中の感触を味わって締め付ける波を感じ取る。
「気持ちいい…」
「そう?俺も溶けちゃいそうだよ?」
「でもそれじゃイケなくない?」
「そうなんだけどでもなんか勿体無くて」
「だめ、ちゃんと気持ち良くなって」
これでも十分気持ちいいんだけどな…、なんて思いながらいちかの可愛い注文に苦笑する。
「じゃあ名残惜しいけど、ラストスパートかけるね?」
「うん…」
目を閉じたのを確認すると少し脚を広げて腰を押し進めた。先にコリっとした感触が触れると中はまたきゅうきゅうと締め付けてくた。体を密着させると吐息が直に耳に触れる。
「そこ、きもち、ぃの…っ」
「うん…っ、俺も……。このままだと俺もイッちゃうかも」
いちかの熱くて甘い吐息も全てが快感へと変わっていく。このまま何も考えなくても体は快楽に誘導されるがままに自然と動く。そして圧力が一気に高まった先の一瞬の戸惑いを抜けて、一気に引き抜いていちかの下腹部で果てた。
「……っ、…間に合わないかと、思った」
勢いよく飛び出た精液は一直線上に跡を残していた。恥ずかしくなるくらい大量で自分でティッシュで拭き取るのもなんとなく気恥ずかしい。
「別に中で出してくれてもよかったんだよ?」
そんな潤んだ瞳で煽られてたらそのまま本当に中で出してたかもしれない。出した後でよかった…。
「そういうのはまだ…ね?」
処理が終わって俺もベッドへとなだれ込んだ。程よい疲労感が体に纏って、いちかと目が合うと幸福感が後を追うように包み込む。
「また眠くなっちゃった」
「俺も…。少し寝る?」
「うん、そうする…。休みだもん。ねぇ、腕枕して?」
「もちろん、喜んで」
いちかの柔らかい髪の毛が触れ、ピッタリと体をくっつけてくる体を抱き寄せた。カーテンから差し込む優しい日の光と微かに残るコーヒーの香り、愛おしい恋人を腕に抱きながら目を閉じた。