第33章 ❤︎ コーヒーの香りと君の寝顔 東峰旭
「する…の?今から?でもまだ朝だよ」
「私の誘いに乗ってくれないの?」
「や、そんなことないよ?………嬉しいし、でもっ」
「でもの続きは要らないから。じゃ、ベッドいこうか?糖分も補給したし」
にっと口角を上げて抱き着いた勢いでベッドへと雪崩れ込んだ。俺に跨り馬乗りになったいちかが俺を見下ろす。
「あの、いいの?…明るいけど」
「そんなの気にしてられないよ」
首元に顔を埋めてきゅっとしがみ付くように抱きつく。仕草の一つ一つが俺にはツボすぎて堪らない。可愛いしかない彼女からの誘いは心底嬉しい。
「……っ」
「あ……、でも…」
「え…?」
「旭の匂い嗅ぐと安心しちゃってなんか眠いかも」
「…じゃあ、やめとく?」
「ううん。やめとかない…」
「眠いんでしょ?」
「寝ながらする」
「さすがにそれは無理でしょ?」
思わず笑ってしまう俺に、むくっと起き上ったいちか が“うるさいなぁ”と膨れっ面を見せる。そんなコロコロと変わる表情が可愛くて小さな唇を塞ぐように触れるだけのキスをした。
一度唇を離すと次はいちかの方から唇を重ねてきた。ねっとりと舌を絡ませくるいちかに俺も応え柔らかいいちかの髪の毛が顔に当たってこそばゆい。確実に湧き上がっていく情欲に気づいたか顔をあげたいちかは満足気に笑っている。