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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第32章 君の手をとりたかった理由 黒尾鉄朗


翌日、担任に提出した後はHRで振分けを発表。特に異論が出るわけでもなく、練習が必要な種目については放課後に各自で練習を行うことになった。

とは言っても自主的に練習する奴なんていないし、俺も本番前日までは体育祭のことなんてすっかり忘れていた。何しろ今は部活優先。

「そういや明日なんの種目出んの?」
「リレーと借り物競走」
「また去年と同じかよ」
「そういう夜久も同じだろ?」
「去年無駄に盛り上がったせいで半強制的にそうなった…。気が重いわ」
「運命だな。…ま、どうせ祭りみたいなもんだし楽しもうぜ」
「楽しむのはギャラリーだけだろ…ってそういやさっきお前のクラスの奴が騎馬戦の練習してたぞ?」
「なんで?騎馬戦って練習することあんの?
「なんか見た目からして運動苦手そうな奴ばっか集まってたけど大丈夫なのか?」
「分かんね。俺テキトーに組んだから」
「女の子持ち上げる時にすっげぇフラフラしてたけど」
「マジ?」
「上に乗る子が怪我する前に止めた方がいいと思うけど」

騎馬戦のメンバーが誰だったかとかそんなことも思い出せなくて、今更になって適当に組んだ事を後悔した。

男子は少々怪我しても大丈夫だけど、さすがに女子に怪我させたとなると大事だからな。

「場所どこ?一回見てくるから」
「東館の渡り廊下のところな」
「サンキュー。一旦部活抜けるけど上手いこと言っといて」
「へいへい」

そう夜久に伝えると足早に渡り廊下へと急ぐ。夜久の言った通りクラスの奴が数人集まっていて、見るからに運動とは縁のなさそうなメンバーだった。

話し終わった後で、立ち位置を確認しながら土台を組んでいるようだった。そしてそこに女子が乗っかり、ゆっくりと立ち上がる、…けど男子の身長差があるせいで不安定な立ち上がりだった。

「あれ大丈夫か……?っておいおい、危ねぇだろ」

嫌な予想は的中。立ち上がったその拍子にバランスが崩れ、4人が崩れるように倒れる。女子の小さな悲鳴に思わず声をあげて俺もその場に駆けつけた。

「マジかよ!?」

倒れた男子を下敷きにするように女の子が倒れていてパッと見た感じ大きな怪我もなさそうでホッとする。

つーか女の子落とすとか何事だよ。しっかりしろよ、男ども…。そんな言葉が思わず出そうになるも、元々の原因は適当にメンバーを振分けた俺の所為。
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