第5章 ❤︎ 三日間ハメまくった記録 黒尾鉄朗
「えー、嬉しい!正直言うとさ、この三日間なんの予定もなくて暇だし寂しいしで誰か遊んでくれないかな?って思ってたの。とりあえずご飯の予定入ってよかった」
「何でも奢るわ。…んじゃ伸びねぇうちに食おうぜ」
「ん、…いただきます」
両手を合わせた後、いちかは生卵を器用に片手で割って端でぐるぐるとかき回す。行儀は悪いけどこんな風に気取らないのは大学時代となんら変わってない。麺をすすり満足そうな顔に俺まで表情が綻ぶ。
「んまー!」
「最高だな」
「そうそう、こういうのでいいの。こういうのが美味しいの」
「そうだよなぁ」
「いちかって、こんな可愛かったんだな」
「大学時代の鉄朗は広瀬●ず似の彼女一筋だったもんね。…後にフラれるけど」
「もー言わないで。俺まだあの失恋引き摺ってるから」
「そうだね。もう過去の事だもんね」
「そうだな。積もる話は昨日したとこだししばらくはいいわ」
他愛もない話をして食べ終わった後は二人でソファーに寝転がりながら昼のバラエティを観ていた。普段は何が面白いんだ?って芸人のネタも今日は不思議と笑けてしまう。いちかは俺にぴったりとからだをくっつけたまま同じタイミングで笑っている。体に触れる体温が心地よくて恋人同士でもないのに穏やかな時間を共有していること自体不自然なんだけどなんの違和感も感じてなかった。