第31章 ❤︎ infection... 月島蛍・黒尾鉄朗
黒尾さんがいちかの腰を持ち上げて指で慣らすように解していく。薄い壁越しに触れる指ときゅっと締まる感覚はこれまでに味わったことはない。飛びそうな意識の中で身を捩らせながら耐えるいちかの体を抱き締めるように支える。
「やっぱディルドつっこんでたおかげでこっちもすんなり入りそうだわ。……んじゃ、お邪魔しまーす」
合図の後、二人分の重みを感じながらゆっくりと体内に入ってくる。
「い、…ぁ、……やら…っ、くるしぃ
「だいじょー、ぶ…だから」
「…っ、きつ」
いちかは声も出せないのか荒い呼吸だけが聞こえ、力の入っていない体は僕に項垂れるように重なる。
「これ、僕的にもキツいんですけど」
「そのうち慣れるって。いちかちゃんフラフラだからしっかり支えとけよ」
「…っ、言われなくても支えてます」
「なぁ、やっぱり本命のちんこのがいい?」
「この状況でそれは愚問でしょ」
「そう?逆にこんな状況だから聞いてみたかったけど、俺がいいって言われたら蛍ちゃん立場ないもんな」
「すぐそうやって煽るから嫌なんです。彼氏という権限は僕にあるので今すぐ抜いてもらってもいいですよ?」
「嘘だって。俺も余裕全くねぇんだから冗談はやめて…。なぁ、そろそろ動いてもいい?」
「お好きに…」
「んじゃあいちかちゃん…、俺が後ろの処女貰ったからねー……ってあらら、飛んじゃってるわ」
「黒尾さんもしっかり支えててくださいね」
「OK。んじゃ…、先にバテんなよ」
「…黒尾さんこそ」
それからは僕の記憶も曖昧だった。ただ一つ体が記憶しているのは、達したのはその時の一度きりだったくせに今までにないくらいの快感で何度も脈打つような快楽は体の全てを絞りとられたんじゃないかってくらい強烈だった。
黒尾さんの言う通り、もう後戻りはできないのかもしれない。
僕の方がね……。