第31章 ❤︎ infection... 月島蛍・黒尾鉄朗
「他の男に犯される所想像してイッたの?」
「…違う」
「僕はちゃんといちかの事が好きだから、いちかが望むんなら構わないよ」
「嫌、…なんでそんな事言うの?」
「………お仕置きだからね」
あえてにっこりと微笑んで。そして頬に手を添えて口付ける。いちかを想う気持ち、そして複雑に絡み合った感情は色濃く影を落としていった。
「じゃ後ろ向いて腰浮かせて」
「………はい」
素直に応じる体は僕に背を向けて、階段に手をつかせていちかの腰を持つ。火照った体と準備の整ったそこは安易に僕を受け入れて、溜った精を吐き出すのに時間はかからなかった。
久々に味わった快楽。それは収まることなく、次を求めるきっかりにしかすぎない。紅く充血したソコからは白く濁った液が流れ落ち、息遣いの荒い体は項垂れている。
「…ねぇ」
「……え?」
「ここ、綺麗にして」
「……本気?」
「だっていちかのでしょ?責任取って綺麗にして…」
戸惑いながらも恐る恐る唇が触れる。どちらのものともいえない体液に塗れたものを柔らかな口が受け止めていく。ゾクゾクした感覚が腰まで走って、ぎこちない愛撫に息を吐いた。ゆっくりと腰を前後に揺らしてみる。慣れない奉仕に戸惑いながら僕に合わせて、その懸命な姿に胸が熱くなる。
「下手くそ…」
後頭部を押さえて奥まで届くようにひらすら腰を打ちつけるように揺らす。柔らかな髪は汗と唾液に濡れて、飲み込めきれない唾液がいちかの口元を汚しいく。感じる快楽以上に苦しさに歪む表情は堪らない。
「…っ、……ぁ」
「ちゃんと咥えないと終わらないよ?」
いちかは気づいてないだろうけど、さっきから感じていた渡り廊下の人影。こちらに向けてくる熱い視線は僕に気付いて欲しいと言わんばかりだ。