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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第30章 ❤︎ 恋に落ちる条件 松川一静


「そういや、最近生理きたっけ」
「……それマジで言ってる?」
「だって記憶にない」
「手帳とかに書いてないの?」
「あ、そうだアプリ…、確か記録してたはず」

慌てて制服のポケットからスマホを取り出しアプリを起動させる。突然の発言に“妊娠”の二文字が頭を過ぎる。

「待って。記録ないんだけど…。私の最終生理っていつ?」
「…や、知らないけど」
「私、妊娠してるの?」
「それほんとに言ってる?」
「徹と別れたのは一ヶ月半前で最後にしたのは確か二ヶ月前だから可能性はある。……ちゃんとゴムつてても出来ちゃう時は出来ちゃうんだよね!?」
「聞いた事あるけど、及川にもちゃんと確認しなきゃいけないくない?」
「そうだけど…。でもまだ確定したわけじゃないし」
「けど及川の責任でもあるだろ?」
「うん…。でも…、あ!検査薬!あれで調べれば分かるんだよね」

閃いたように顔を上げ俺を見る。そしてさり気なく俺の服の袖を掴む。

「ねぇ松川!お願い!!一緒に来て。一生のお願いだから」
「気持ちは分からなくもないけど、俺は今日も部活あるし」
「部活終わるまで待つから。…ね、お願い!」

顔の前で手を合わせてまるで“松川にしか頼めないの”と言わんばかりの態度。柳瀬の以外の子の頼みなら断っていたところだけど、気になっている相手でもあるしもしもがあればバレー部の死活問題でもある。

「………仕方ないな」
「ほんと?」
「もしもってことがあればバレー部も大事になるからな」
「ありがとっ!やっぱり松川って頼りになるね」
「お礼はいいから。今は寝てな。部活終わったらちゃんと付き合うから」
「じゃあ裏門で…。人目避けたいし」
「了解。…じゃまた後でな」
「うん…。迷惑かけちゃうけどこんなこと松川にしか頼めないから」
「分かってる…」

布団を被りながら“ありがとう”と呟く。さっきよりは少し顔色も良くなったようにも見える。ほんとはまだ側にいたい…なんて後ろ髪を引かれる思いでその場を後にした。




その日の部活は落ちつかないままだった。何も知らず他の女子にも愛想を振りまきながら練習をする及川に苛立ちを感じながらもなんとか練習を終え、柳瀬の待つ裏門へと急いだ。

不安そうな表情の柳瀬を見た時、側にいることで少しでもその不安を拭うことが出来たらってその思いでいっぱいだった。
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