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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第30章 ❤︎ 恋に落ちる条件 松川一静


予鈴後の廊下には二人の会話だけが響き、保健室はシーンと静まり返っていた。ドアは開いているものの中は誰もいない。

「先生いないね」
「後で俺が担任に言っとくから。横になってれば?」
「うん…。そうする。ありがと

3台あるベッドも今は誰も使っていないようで、一番窓際のベッドで横にさせてカーテンを閉める。

「ほんとごめんねー。なんか悪いものでも食べだのかな、私」
「そうかもな。治らなかったら病院だな」
「そうだねー。移るタイプの胃腸炎とかだと嫌だな
「そうだったらもう俺にも移ってるかも」
「だよね。先に言っとくけどその時はごめんね」
「まぁ、それは仕方ないよな。…その時は部活も堂々とサボれるし責任持って及川にも移しに行くから」
「あははっ、それ笑える。ざまーみろだよね」
「俺は柳瀬の味方だから」
「………ねぇ、松川」
「何?」
「さっきも言ったけどさ、松川って優しいね。ほんとにありがとう」
「気にしなくていいから。基本的に女の子にはそうしてる」
「そういうのっていけないんだよ。徹もそうだけど期待させるだけさせといて結果はこうだもん。松川も罪な男ねー」

“俺は違うよ…”ってそう言い返したかったけど否定したところで今はまだ及川とそう変わらないんだと思う。出来るだけ否定しないでいつかそうじゃないって気付いた時こそチャンスだから…。

「とりあえず今は寝てたら?そのうち先生も戻ってくるだろうし」
「そうだね。そうする。こんなちゃんとした理由で授業サボれるだもんね」
「そんな嬉しそうにしなくても」
「なんか眠くなってきたし寝たら良くなってるかもしれないし…」
「だといいな」
「色々ありがとう。またジュースでも奢るから」
「…じゃあ楽しみにしてるな?…俺も教室戻るわ」
「うん、ありがとう」

ベッドに横になったのを見届けた時、急に“あ…”と何かを思い出したように呟く。
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