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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第29章 ❤︎ ALMONDROCA 花巻貴大


という流れもあって、なんかそういう雰囲気になってしまった。馴染みの私の部屋なのに花巻君がいるだけでそこは別世界とも言える。

現状はベッドに腰掛けて花巻君に抱かれてるの図で落ち着いているけど、許容範囲を超えた感情は頭を突き抜けていく。一言で言えばパニック。

「無理してるだろ?」
「いや、無理はしてないんだけど…、こういうのが久しぶりで、久しぶりすぎてどうしたものか…って思ってる」
「それを無理してるって言ってんの」
「花巻君は慣れてるの?」
「慣れてないし。俺だって何年かぶりに出来た彼女だし」

“彼女…”そっか。今の私には彼女って肩書きが新たに加わったんだ。あまり実感がないようでもこの状況だと私は花巻君の彼女になったんだって改めて感じる。

「彼女って…、何才になってもなんか照れるね」
「そうか?でももう彼女なんだから柳瀬って呼ぶのも変だよな」
「…うん、でもいきなり下の名前で呼ばれるのも照れるよね」
「いちか」
「え…?」
「俺は今からそう呼ぶから。いちかも慣れたら貴大って呼んで?」

急に声色が変わった花巻君の顔をとてもじゃないけど直視できない。

隠すように抱き締められた腕に顔を埋める。恥ずかしいけど心臓の音が全身に伝わるくらいに高鳴っている。

「今日、キスくらいはいい?」
「えーと…、いいんだけど、キスってどうやってするんだっけ?」
「本気で言ってる?」
「だって久しぶりの事で雰囲気とかタイミングとか空気読まなきゃ…」
「そんな必要ないから。したい時にすればいいじゃん」
「そうなんだけど、そのタイミングが分からなくて…。阿吽の呼吸ってのもまだ無理だし…、その前にキスするのに阿吽の呼吸って何?」
「いや普通にすればいいんじゃない?…」
「でもさ、やっぱり心の準備が出来るまではちょっとだけ待って?」
「いつになったら心の準備できるの?」
「…それは分かんないけど」
「はい、却下」

そう言うと視界が反転し後頭部は柔らかい布団へとダイブ。完全に押し倒された状態で、視界のほぼ8割は花巻君しか見えない。
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