第28章 ❤︎ 彼女に怒られました 灰羽リエーフ
「俺もイキそ…」
「ん、うん…っ。いいよ…っ」
「どこがいい?」
「……っ、奥っ」
「だよな…。俺も…奥でイキたい」
肌のぶつかる音が二人の荒々しい息遣いをかき消す。へなへなと倒れ込む上半身を支えて背中に覆い被さるように腰を打ちつけていた。
最後は大好きないちかの両胸に両手をちゃんと添えて膨らみの感触を存分に味わった。包み込む粘膜の奥で震わせ思い切り吐き出した。
最高潮まで高めた快楽を失う瞬間の喪失感。あー、この喪失感を埋めるためにまた俺はいちかを求めるんだなって抜け出せないループに俺は居る。
でもそれは他の誰でもないいちかだから。
「あーやっぱりいちかって最高。特に胸。終わった後に胸触るのってめちゃくちゃ落ち着くの知ってた?」
「…胸の話はもういいよ」
「よくない。だってほんとに好きだから」
「ありがと。ちゃんと信じてるから」
「なぁいちかは俺のこと、好き?」
「………好き…に決まってるでしょ?」
「よかった嫌われてなくて…」
「ばか。そんなことで嫌いになんてならないよ」
「バカでもなんでも良い。俺はいちかの全部が好きだから」
どこか甘い感じがして優しくて柔らかくて温かいこの胸の存在。俺がこんな風に素直になってしまうのはこの胸の所為。