第27章 ❤︎ キタサンブラック 北信介
むせ返りそうな雄の匂いと先端を濡らすカウパー液。そうさせたのは自分だと思うと今は後悔よりも興奮が勝って意識から蕩けてしまいそうになる。柔かな先端から咥え込んで硬くなった根元まで口いっぱいに頬張り、羞恥から逃げるように目を閉じた。
「今日はえらい大胆に舐めてくれるんやな?」
前後に揺らす後頭部を撫でてくれる手つきが優しいのに安堵する。あまり好きじゃない口での奉仕なのに、どうしたら満足させてあげられるかってそれだけしか考えられない。
「もっと奥、咥え込んでみて?」
口を目一杯開けて奥へと迎えるように飲み込む。だけど初めて触れる喉奥にむせそうになる感覚に堪え切れずに吐き出してしまった。
「下手くそやなぁ…。せっかく気持ちよくなってきたのに」
「あ、ごめ…っ」
「んー、ええで?苦手なん知ってるし、でももうちょっとしてもらってもええ?」
唾液を飲み込むと喉奥に感じる違和感と苦しさに生理的な涙が溢れてくる。それでも意識は完全に信介のペースに呑まれている。
「……うん」
また口いっぱいに感じる圧迫感。視線を上に上げると艶っぽく見下ろす信介と視線が触れる。
「そんな潤んだ瞳で見つめられたら誘われてるんかと思うやん。でも物足りんからちょっと我慢してな?」
私のぎこちないフェラに痺れを切らしたのか堪らず後頭部を押さえてゆっくりと腰を前後に揺らしていく。もうこれ以上咥えることなんてできないのに容赦ない律動に顔を歪めるしかできない。
「んっ、ぐ…っ、………んぅ、」
「………あぁ…っ、めっちゃ、……ええ」
声にならない声と水音がその場に響く。いつもの甘い雰囲気の中で交わる行為じゃなくて一方的な欲を吐き出すけの行為に成り下がっていても信介の恍惚とした吐息が耳に触れるだけで下半身は熱く蕩け切っていた。