第25章 ❤︎ 黒尾先生との逢瀬
翌日、俺たちがたどり着いた先は期待通り、いやそれ以上だった。結婚式も挙げられるとかで外観からもハイスペックな印象だったけど内装は更に豪華でぽかんとして見惚れているいちか。
「ここ高かったんだじゃないの?」
「まぁそれなりにはな?デート五回分くらい?」
「私も出そうか?お年玉持ってきたよ?」
「いらねぇよ、そんなの。ほら、部屋行くぞ」
「……うん」
予約した部屋はスイートまではいかないけどそれなりのグレードの部屋。いつもろくなデートもさせてやれなかったしこのくらいの贅沢はしてやりたかった。
部屋に着くなりハイテンションで部屋のあちこちを見て回り、浴室の方から一際大きな声で俺を呼ぶ。
「何?なんかあったの?虫でも出た?」
「違うよ!そんなんじゃないって」
「何よ一体」
「見て!すごいんだよ、ジャグジーのお風呂だよ!」
どこぞのリゾートホテルなんかでありそうな楕円形のジャグジーに床は高級そうな大理石。花も飾られていて映えしそうな
「こんな素敵なホテルだったんだね」
「みたいだな。俺も写真でしか見なかったけどいいじゃん」
「夢みたい。先生、ありがとう」
「いーえ。こういうのいちかと一緒に入ってみたかったんだよ」
上機嫌ないちかに俺も安堵した。一応彼氏としては可愛い彼女が喜ぶ姿見たいじゃん。