第24章 ❤︎ 木兎「あかーしのセフレちゃん貸して♡」 赤葦京治
「やっぱラブホっていいよな」
“なぁあかーし”といつもの調子の木兎さん。俺はため息をつきながら“知りませんよ”とだけ短く答える。
「え、じゃあお前らいつもどこでやってんの?」
「なんでそんなこといちいち答えなきゃいけないんですか」
「別にいいだろ。んな怒んなよ」
木兎さんの言葉に自分でもなぜこんなにイライラしているのか分からなかった。
これから目の前で起こることがどんなことかわかっているのに。ただずっと違和感を感じていて。だけど胸の違和感の理由に俺はまだ気づいていなかった。
「じゃあ早速で悪いけどいちかちゃん、こっち来てくれる?」
「......はい」
控えめに答えて木兎さんはベッドに腰かけてそのまま彼女を抱き締めるように顔を胸に埋める。
「...やべぇ。おっぱいとか久々過ぎて天国なんだけど...。俺、召されちゃう」
「どうぞ、いっそ召されてください」
「もうあかーし、萎えることいちいち言うなって...。なぁいちかちゃん?」
「え、...あ、はい」
「だよなー。てかさ、いちかちゃんってバストいくつ?」
「......えと、.........Cです」
「上等。前の彼女がさぁ、ちっちゃくてさぁ。……あーあ、マジであかーしが羨ましいわ」
木兎さんがこっちをチラっと見る。
「赤葦のセックスより俺のが気持ちよかったらさ、俺の彼女になってよ」
木兎さんの指がいちかの唇に触れる。彼女を見見る目が、その言葉が決して冗談ではないことくらい俺には分かる。
「......でも、私...」
「別にあかーしの事が好きでもいいよ?そっちの方落とし甲斐があるし...」
“そうだろ?”と言わんばかりにこちらを見る。
木兎さんの自信に満ちた表情。そして先ほどより強く感じる違和感。木兎さんの頼みを受け入れてしまったことを少し後悔している自分もいる。だけどそれは木兎さんの誘いに乗った俺が悪い。