第24章 ❤︎ 木兎「あかーしのセフレちゃん貸して♡」 赤葦京治
人のセフレを貸せって時点でそんなことだろうとは思った。
自分がとんでもないことを言っていることくらい分からないのだろうか。本物のアホなのだろうか。この人の頭の構造がどうなっているのか一回かち割ってみてもいいのかもしれない。そしたら少しは謎が解けるのかもしれない。
そんなことを考えながらいつものように会話が平行線をたどり無駄な時間だけが過ぎていく。
だけど何度断っても引き下がらず木兎さんはヒートアップするだけで、結局最後には俺が折れてしまう形となった。癪ではあるが俺もこの人と対しては変わらないのだろう。
「ったく。…今回だけですよ?」
「マジ?さすがあかーし!」
「うるさいです」
「全くお前もゲスいよなぁ」
「人のセフレを貸せっていう木兎さんこそゲスの極みですけどね」
「んなもん性欲には勝てねーよ」
「但し条件があります」
「あ?」
「俺もその場にいていいですか?」
「なに?3Pすんの?」
「冗談言わないでください。なんとなくです」
「俺はどっちでもいいけどよ、見られてる方が燃えるし」
「アンタ変態ですか...。だからフラれるんですよ」
もはや上機嫌の木兎さんには俺の声は届いていない。
俺は若干呆れつつもスマホを取りだしメッセージアプリを起動させる。そしていつものように用件だけを伝えてすぐに返信が返ってくるのを確認すると俺たちはその場後にした。