第24章 ❤︎ 木兎「あかーしのセフレちゃん貸して♡」 赤葦京治
「あかーし!!マジな頼み!!」
誰もいない講堂に大声が響く。俺の前でぱーんと手を合わせて懇願するのは一つ年上の先輩。
「……なんなんですか、木兎さん。うるさいんですけど…」
「悪い!でも聞いて赤葦」
“お願いします!”と改まる木兎さん。この断りにくい状況で頼みなんて嫌な予感しかしない。そしてできるのならば聞きたくもない。
「拒否権ってあります?」
「ない!!!」
まぁそうでしょうね…。
「………なんですか一体。簡潔にお願いします」
「いやぁ、あのさ……。すっげー言いにくいんだけどさ……、いやでも、その、なんつーか…」
「…残り5秒」
「分かった!言う!言うから!!………あのさ、お前の可愛いセフレちゃん。俺に貸して?」
ほらまたろくでもない頼みだ。というか何を言い出すんだ、この人は。
「………断ります」
「あかーしぃ!!マジでお願い!」
「嫌です」
「俺最近彼女と別れてすげー寂しいんだって」
「そんなこと知りませんよ。どうせ別れたのだってどうせ木兎さんが原因でしょ?」
「...え?………いや、まぁ、多分、俺だけど
「なら自業自得です」
「けど俺今女の子に触れたくてマジヤバイんだって!!」
「アンタ盛りのついた猫ですか、全く」
「だって俺、……まだ思春期だもの!!!」
何故そこで開き直るのか。でもツッコむのすら面倒くさい。
「思春期だから何でも許されるわけでもないです」
「なぁ何も彼女を貸せって言ってねぇんだからセフレくらい貸してくれよ」
「モノじゃないんですけど」
「あかーしはモテるんだし一回くらいいいだろ?」
“な?”と再度手を合わせる。
「……なにするんですか?」
「あわよくばセックス」