第22章 ❤︎ セックスレスに奮闘する鉄朗パパ
「もういいよ」
「どした?息上がってるけど」
「中、熱くて…」
「そうなの?じゃあもう挿れていい?」
「うん」
「じゃゴム着けるから待って」
「いらない。もう生理来るし」
「なんだよ、そんなに俺が欲しいの?
「うん。なんかね、待てそうにない」
「ま、俺は二人目大歓迎だから全然いいけど」
余裕のないいちかの表情がたまらなくて額に軽くキスをして両足を開かせた。このしんと静まり返る瞬間は神経を研ぎ澄まして集中する。ゆっくりと粘膜に埋もれていって結合していく。少しでも表情が歪んだら止めるつもりでいたけど、奥まで到達したときはいちかも安堵した表情を見せた。
「全部入ったけど、痛くない?」
「ん、……全然平気」
「生ですんのも久々だけどナカこんなに熱かったっけ?溶けそうなんだけど」
「だから言ったでしょ?」
「すげぇなこのジェル…」
「だね」
繋がったままで互いに笑い合う。
「動いても大丈夫だよ?」
「うん。でもなんか今、めちゃくちゃ幸せなの、俺」
こうやって直に触れることが出来て、ちゃんと確認出来て、それだけで快楽以上に心が満たされていく。
「私も幸せだよ」
「寂しがり屋だから、俺…。お前に触れてねぇとおかしくなんの」
「うん…。ごめんね」
「いや、お前はなんも悪くねぇから。こうやってちゃんと向き合ってくれてんだろ?」
「鉄朗がいつも大切なことに気付かせてくれるんだよ」
「だっていちかが大切だもん」
「…ありがとう」
「これから少しずつ取り戻してこうぜ」
「うん。……そうだね」
激しければそれだけ快楽が得られたとしても心全部が満たされるかって言えば別だ。甘い声で俺を求めて“鉄朗”って呼んでくれたらいくらでも応えたい。結婚して夫婦ってかたちになって子供が出来て、そこからまた始まる新しい感情にいちかへの想いを募らせたい。あの頃よりずっと好きで愛おしいって思ってる自分がいるんだ。