第22章 ❤︎ セックスレスに奮闘する鉄朗パパ
互いに溶け合って久しぶり二人きりで迎えた朝。爽やかな日差しが入って明るくなった寝室でシーツに包まったままのいちか。
「昨日あんだけ愛し合った仲なのになんでまた背向けてんのよ
「明るいから見られたくない」
「なんで?」
「昨日も言ったけど太っちゃったから」
「俺には全部可愛いんだけど昨日したばっかなのにこうやって触れてるだけで欲しくなんだから」
「元気だね」
「だってまだ若いもん」
「今からするの?」
「いや、さすがにそれはいちかも体辛いだろうからしないけどでも時間ギリギリまで裸のままで抱きしめてていい?甘えたいんだけど
「甘えたいって可愛いね」
「可愛いのはいちかだけどねぇ」
俺の方にくるっと向き直した体を抱き締めた。寝起き浮腫んだ顔だって無防備で可愛くて愛おしくなる。ほんとどんだけ好きなのよ、嫁の事。
「ねぇ、鉄朗君」
「何?」
「昨日ね、初めてしたときのこと思い出してた」
「マジ?それ、俺もなんだけど」
「ほんとに?」
「初めてんときみたいに大事に抱こうと思って。ちゃんと伝わった?」
「すごく伝わった。それがね、嬉しかったの。初めてしたときも今みたいに凄く幸せだったなって思って」
目の前の光景が記憶の中のいちかと重なった。俺の腕の中で恥ずかしそうに笑うの、なんも変わってない。
「だったら今度は二人きりのチャンスがあったら昔みたいにデートしようか?」
「うん」
「俺たちの時間も大切に……な?」
どちらからともなく重ねたキスは恋人同士のときのように甘く感じた。
fin.