第22章 ❤︎ セックスレスに奮闘する鉄朗パパ
「目もとろんとしてる。それ、すげぇそそられんだけど」
お酒の所為ってのもあるかもしれないけどでもこんなに積極的ないちかは久しぶりだった。
「………なぁ、いい?」
「ベッド、連れてって?」
イエスの答えがあれば十分なのに、こんな不意打ちまるでいちかから誘ってくれてるみたいで堪らなかった。お姫様みたいに抱っこして寝室への扉を開く。ぎゅっとしがみつく細い腕の間から俺を不安気に見つめる。
「体重増えちゃってるけど抱っこして腰とか大丈夫?」
「俺を誰だと思ってる?いちかくらいなら2、3人くらい余裕」
「嘘ばっかり」
「嘘じゃねぇよ」
オレンジ色のライトが二人の世界を色濃くさせる。真っ白いシーツの真ん中で捲れ上がった部屋着のワンピースから見える白い脚。真っ直ぐに見つめられて俺は不覚にも鼓動を早めている。
「俺に食べてくださいって言ってるみたいだな」
「うん。…なんかね、今日はそんな気分なの」
「めちゃくちゃ嬉しいんだけど」
「ごめんね。……あんまり出来なくて」
「気にしてた?」
「それなりには…。結婚前は沢山してたのに急に回数も減っちゃって、悪いことしてるなって」
「なぁ、一つ聞いていい?」
「何?」
「今まで俺とするの嫌だった?」
「嫌じゃない。誘ってくれるのは嬉しかったけど、…鉄朗も気付いてたと思うけど、ほらあんまり濡れなくてそれで痛くて
「やっぱり、痛いよな。気付いてたのにごめんな?無理させてたよな」
「ゆっくりする時間もなかったし仕方ないよ…。私の方こそこの前断っちゃってごめんね」
「謝る必要なんてない。したくない時はちゃんと言ってくれていいから」
そこもちゃんと気遣ってやれなかった俺の責任。自分の欲をぶつけるだけの行為なんて何の意味もない。ずっと我慢させてたって思うと胸が痛む。