第21章 ❤︎ ATTENTION‼ 松川一静 花巻貴大
即効性はないだろう、それが甘かった。やけに体が熱い動悸がする。明らかな異変だった。
「なぁまっつん、ここなんか暑くね?」
「ここが暑いじゃないだろ?おかしいのは俺たちだと思うけど?」
「やっぱり?俺、結構キテるかも…。すでにムラムラしてんだけど…」
「うん。それに近いな…。オナ禁してるみたい」
「あんま練習してないけど今日はもう帰らね?」
「うん。あ、でもいちか、大丈夫か?」
「いちかも飲んでたもんな。とりあえず見に行ってみる?」
「そうしよう。調子悪そうだったら連れて帰らないと」
一歩踏み出すだけでクラクラする感覚。間違ってアルコールを飲んだ時より酷い。なんとか倉庫に辿り着くと扉は開いていて中には床に座り込んだいちかがいた。
「おい、大丈夫か?」
「…花巻君、かぁ。……うん、なんかね、頭がぼーっとしてきて体が熱くって…」
「俺たちだけじゃねぇんだな。…まっつん、どうする?」
「どうするったって…。効き目が薄まるまではどうしようもないだろ」
「…やっぱりあの飲み物のせいかな。頭の中もふわふわしちゃって体も力入んないよ」
上目遣いで力なく俺たちを見上げるいちかは目はトロンとしていて涙目で頬は紅潮して薄暗い倉庫という密室がいちかの雰囲気に更に色気を加えている。
「まっつん、ヤバい。俺、いろんな意味でヤバい。理性保てる自信ない」
「俺も同感…。」
「私、どうしていいのかわかんなくて…」
崩れそうな姿勢を支えながら涙目で訴えるいちかと目が合った。その瞬間理性がぐらつくのを必死で耐えて一呼吸置いた後、耳元で囁いた。
「なぁいちか…。直球で聞くけど今、したいとかそういうヤバさだったりする?」
一瞬微かにピクリと反応した。恥ずかしさで顔が紅いのか図星なのかは分からないけどしばらくしてから小さく“……うん”と頷く。