第20章 ❤︎ 年下男子の本気 及川徹
「だって気持ちよかったんだもん。危うくナカで出すとこだったし」
徹の運転する車の中で聞いてもない言い訳を話し始める。
「知らないよ、そんなの」
「そんなに怒らないでよ」
「別にそのことに対して怒ってるんじゃない。なんで着替えなきゃいけなかったの?しかもこんなカジュアルな服…」
私が着ていたワンピースは丈が短いとかで残念ながら却下され、代わりに徹が容易した服はこの前雑貨屋さんで買ったボーダーのトップスにロングスカート。…可愛くないわけではないけど。
「似合ってるよ。俺が選んだんだし。ワンピースは俺とのデートで着ればいいじゃん。その時は俺と飲もう」
「どうせ私の奢りでしょ」
「まだ学生だから出世払いってことで」
「どうだか…」
「卒業まであと4ヶ月なんだから、もう少し待ってて。待たせた代わりにサプライズちゃんと用意してるから」
「何?プロポーズでもしてくれるの?」
「え?正解だけど…」
ああ、なんて間抜けな会話をしてるんだろう…。
徹の気持ちはずっと前から知ってたし、今までだって散々プロポーズ紛いのことを聞かされてきたから…。
「緊張感ないなぁ」
「そう?俺はいちかに対してだけは素直でいたいから…」
「はいはい、そうですね」
とは言え、この緩い束縛もヤキモチも相変わらず私の事が大好きなんだなって証拠なんだよね。