第20章 ❤︎ 年下男子の本気 及川徹
「…っ、…無理、だって」
「大丈夫…、ほら…、全部入ったし」
ぐりぐりと押しつけられる軽い波を感じる度に無意識にも締め付けてしまう。徹の甘い息遣いにだって感じてしまうのに…。
「いちか…っ、それ、…やばい」
「苦し…っ、…ん、ぁ、ぁ、……や、ぁ」
「締め付けないでって。ナカで出ちゃうじゃん」
「だめ…っ」
それでも動きは止まない。肌がぶつかる音が卑猥に響いて激しく掻き混ぜられていく。動きに合わせてだらしなく吐息が漏れては目の映る視界まで曖昧になっていった。
「溜まってのもあるんだけど今日なんかヤバイ」
そう言いながらもちゃんと気持ちいいところを目掛けて突いてくる。その都度恥ずかしいくらいに締め付けてしまってるのも自分でちゃんと分かってるし、ヤキモチとか嫉妬心で徹がこんな風になってるんだってそう思ったらそれだけで満たされてしまうのが不思議。
「徹…っ、あ、……ん、」
「帰ったら、ちゃんともう一回しよ」
「…、んっ」
腰を持ち上げて奥に深く突き上げられた。息も出来なくて逃げ場のない快感が身体中に駆け巡る。視界も歪んでもうだめって時に徹の熱い息が耳に触れた。
「ごめん、、も、出すね」
一気に圧迫感から解放される。名残惜しそうに奥はまだ余韻を残しているのに、一方的に背中に熱いものが触れた。
「あっぶな…」
なんとも雰囲気のないフィニッシュ。呼吸を整えながら力なくソファーへと雪崩れ込んだ。
ぼんやしりとした意識の中でちらっと時計を見れば自分の乗るはずだった電車の時間になっていた。