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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第19章 不器用な優しさ 瀬見英太


コンビニまでの道中は特に会話もなく微妙な距離を保ったまま。すぐ近くのコンビニなのにいつもよりずっと遠くに感じた。

英太は何か私に言いたいことがあるのだろうか…。昼の事があったしもう明日からは来なくていい、とか?本当なら甘いスイーツも食べられそうなくらいにお腹は減ってたのに、また胸がいっぱいになって苦しくなってきた。

「何買った?」
「おにぎり、……二つ」
「足りる?」
「夜だし…」
「じゃコレも」
「え?」
「好きだろ?」

そう言って籠に入れたのは私の好きなメーカーの焼きプリン。いつもは遅くに食べると太るぞって言う癖に…。

「でも…」
「奢るから」
「え、いいよ。連休前にお小遣いもちゃんと貰って来てるし」
「いいから」

そういうと籠を取ると更に野菜ジュースを1本追加してレジに向かう。私は駆け寄ってお財布を出そうとするけど“いい”と一言だけ返されてしまった

レジが終わるまでの間、お財布を握りしめていた。英太の態度にまた泣きそうになって、でもここで泣いちゃだめだって分かってたから、俯いたままじっと待っていた。

「帰るぞ」
「…うん」

声だけはせめて明るく、泣くのは後回し。“明日から来なくていい”と言われたら、その時は英太の言う通りにしようと、そう思っていた。
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