第18章 ❤︎ 好きがまたひとつ増えていく 日向翔陽
我慢できずに“挿れて”と口にしてしまっていた。翔陽の指の動きがぴたりと止まって苦笑しながら汗ばんだ額にキスをする。
「ほんとはもっと順番考えてって思ってたんだけど今の一言で俺ももう我慢できそうにない」
「うん。…きて?」
「ゴム着けるから少し待ってて」
力の入らない体は起き上がるの気怠くてぼんやりと翔陽の背中を見つめていた。初めての時はお互いに余裕もなかったけど一年前とは何もかもが違う。
「痛かったり苦しかったりしたらちゃんと言ってね」
優しく微笑む表情ですら妖艶で脚を押し広げて中心に触れるまでの間、呼吸をするのを忘れてしまうくらいに張り詰めていた。
深くまで体を重ねて互いの感触を味わうようにキスをして目が合えばおでこをくっつけて笑う。
「気持ちいい?」
「うん…、挿れてるだけでも気持ちいい」
「翔陽の好きなように抱いていいから」
「でも…」
「いいの。こんなに蕩けちゃってるから全部気持ちいいもん」
私だけを見て私を欲してくれている真剣な表情が見たかった。掠れる声で名前を呼んで寂しさも埋めてくれるくらいに…。
この時間が終わってほしくなくて翔陽の手に自分の手を重ねて指を絡めた。