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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第18章 ❤︎ 好きがまたひとつ増えていく 日向翔陽


だけど現実は甘くなかった。今回の二週間の一時帰国は今後の翔陽の未来がかかっている。だから大切な時間を恋人との時間に費やせるほど暇じゃなかった。

私の空白のスケジュールがやっと翔陽の名前で埋まったのは帰国後一週間後だった。与えたれた時間は今晩から明日のお昼までという期限付きだったけどそれでもそばにいられるだけで嬉しい。今夜は二人きりになりたくてルームシェアで借りている部屋に招いた。

「なんか、女の子の部屋って感じ…。匂いが全然違う」

背筋をピンと伸ばして物珍しそうに周りをキョロキョロと見渡している。初めて実家の家に呼んだ時もこんな感じだったなと懐かしい。

「女の子の部屋って感じではないけどもしかして翔陽緊張してる?」
「ルームシェアしてるって聞いてたからてっきり相手の子もいるのかと思って」
「ルームメイトは気を遣って外泊中」
「そうなんだ。俺が泊まるからってなんか悪いことしちゃったね」
「大丈夫。こういうのはお互い様。向こうだって彼氏連れてくる時は私も実家に帰ったりするもん。それに何たってこっちは一年ぶりの再会なんだからね?」
「うん…。向こうの生活も楽しかったけどいちかに会いたかった」
「こんなに大人っぽくなっちゃってドキドキしちゃった」
「そう、かな?自分ではあんま分かんないけど」
「向こうでどんな風に生活してるんだろう、何考えてるんだろう、私のことちゃんと覚えててくれてかなって結構寂しかったんだからね?」
「ごめん。せっかく付き合ったのに俺の我儘で一年も日本離れることになって。また一週間後には帰るし」
「悪いけど我儘なんて一回も思ってないから。我儘って思うくらいなら翔陽がリオに行くって決めた時に別れてる」
「え…っ!?」
「嘘、冗談。……正直寂しかったけどね。それでも楽しそうにしてる声聞くと私も嬉しかったし。よくできた彼女でしょ?」
「うん…。俺もいちかの声聞いて何回も元気もらったしほんとに感謝してる」
「早く会いたいねってずっと言い続けてやっと会えた」

だから今日は思いっきり甘えてもいいよね?

「ぎゅってしていい?」
「うん…」
「おいでとか言ってくれないの?」
「えと………、俺のことに、おいで?」
「何その言い方…。完全に棒読みだし」

でもラテンのノリで慣れた感じでも嫌だけど…。
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