第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎
「………うん」
「イク時の声まで可愛いし」」
「…そんなことない」
「体は?平気?」
「気持ちよくって…なんかふわふわしてる」
「そっか…。なら大丈夫そうだな」
「うん…」
「なぁいちかちゃん?」
「ん?」
「このままずっと抱いててやりたいんだけどさ、腕の中で抱いてるだけで俺もイッちゃいそうだったからそろそろ……いい?」
「うん、もう大丈夫だから」
「じゃあさいちかちゃんの顔ちゃんと見てたいから、俺に跨がって?」
「…見なくて良いのに」
「見るに決まってんじゃん。逆に今ちゃんと見て記憶しとかないとあとでいちかちゃんで抜けなくなるだろ?」
「こんな時までそんなこと言わないで。さすがに恥ずかしい」
「俺の我儘。………いい?」
私を見つめる光太郎さんの表情があまりにも可愛いからそのまま唇にキス。下唇を食むように触れながら“いいよ?”と伝える。
「………俺の彼女。マジで最高だわ」
だって、私のスイッチを入れたのは光太郎さんだもの。
体勢を変えて光太郎さんの上に跨がった。何も身につけていないし丸見えなんだろうけど、そんなのはもうどうだっていい。息が出来ないくらいの交わりが欲しい。
「……いい?」
「今更だけどさ、俺はいちかちゃんの事、本気だから…。生半可気持ちじゃないから」
いつものおどけた彼からは想像も付かないくらいの真剣な眼差しを向けられて私は思わず唾を飲み込んだ。
「どこまでもついてく。光太郎さんがいいればいい…」
「後悔させるような事はしねぇから。それだけ…ちゃんと言っておきたかった」
光太郎さんらしい。この場に及んでもちゃんと言葉に残してくれる。何度も光太郎さんの言葉を噛みしめるようにリピートしながら記憶に刻んだ。