第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎
バスタオルがはだけそうになるのも気にせず味わうよう唇を重ねる。上手く合わない呼吸も直ぐになれて互いに唇は馴染んで、キスだけで感じてしまうくらい体は火照っていく。
「さすが東京の子はキスも上手いな」
「そんなこと初めて言われた」
「俺がそんなに慣れてねぇだけかな」
「じゃもっとしたい」
「いーよー…。んじゃ俺の上に乗って?いちかちゃんのキスで犯して?」
唇が重なったままで二人でベットになだれ込む。下から真っ直ぐに私を見つける目は我儘を言う子どものように澄んでいて、甘えるような言葉に胸は熱くなる。
こんなの、煽られてるのは私の方じゃないのかな…。
うすく開かれた唇から光太郎さんの舌が覗いて、吸い込まれるように唇を重ねて、光太郎さんの舌を丁寧に舐め上げる。すっかりはだけてしまった胸を優しく手のひらで包んで親指と人差し指が突起を摘まむと素直に体は反応してしまう。
「……んっ、…」
「もっと、キス、……続けて?」
「っん…、………っ」
体の奥から込み上げてくるような熱い感情。唇を奪われたまま優しく愛撫されるのが気持ちよくて、体も徐々に欲に忠実になっていく。
「腰揺れてるよ?」
やっと唇が離れて、光太郎さんと目が合う。自分でも今はやらしい表情になってるが分かるから、恥ずかしくなって目を背ける。
「別人みたいにやらしい顔してるな」
「絶対言うと思った。自分でも分かってるもん」
「体も、すげー綺麗」
「そんなことない」
「なぁ…」
「何?」
「初めてってやっぱ鉄朗君?」
「……うん、そう」
「いつ?」
「高2の夏。どうして?」
「単なる嫉妬」
「え?」
「今日もさ、鉄朗君が突然現れた時内心すげー焦ってたの。このままいちかちゃん連れ去られたらどうしようって…。あんま顔に出さないようにしてたけど泣きそうだったの、俺」