第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎
「ああ、すげー幸せ」
「そう?」
「ここにいちかちゃんがいるのも夢みたいだし、今から俺のものにできるんだと思ったらこの時間すら惜しいけど、これはこれですげーいい」
「何それ…。へんなの」
「バスタオルで隠れてるけど、女の子のおっぱいって最高だろ?」
「それは私には分からないけど…」
「ここまで育ててくれた鉄朗君に感謝だな」
「こんなところで鉄朗の名前出さなくても…。……ねぇ、光太郎さんは嫌じゃないの?私の過去とか…」
「全然。その過去がなかったら俺の前にいちかちゃんはいねぇじゃん。だから鉄朗君には悪いけど感謝しかねぇよ?」
「…ほんとに?」
「ほんと…」
口に出せない想いすらさらっと包み込んでくれる。こういうところが光太郎さんの優しさなんだよね…。知れば知るほど素敵な人だって分かるから、もっと好きになる…。
「髪、そろそろいいよ」
「でも、まだ…」
「もう、俺が待てない」
腕を自分の方に引き寄せて肩にかけ、そのまま唇を重ねる。腰に回された手は私を完全にロックオンして離してはくれない。
これ以上はもう待ったなんて言えないし、言い訳も出来ない。
ちゃんと、抱かれる覚悟をしなきゃ…。