第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎
数日ぶりに入る光太郎さんの部屋。添い寝してくれた日ももちろんドキドキしたけど、今もずっと緊張してるし落ち着かないままだ。
そっとベッドに降ろされて、その隣に光太郎さんが座る。肩にかけたタオルでガシガシを頭を拭きながら私をみて微笑む。
「警戒してる?」
「してない。ちょっと緊張してるだけ…」
「ほんとに嫌じゃねぇの?」
「嫌だったら来ないよ」
「無理してねぇ?」
「してる」
「え?嘘?」
「だって、ドキドキしてるんだもん。好きだからこうなりたいって思うのは自然なことだし私もしたいって思ってるんだけど、ほら、やっぱり緊張するじゃない?」
「俺はむしろすげーギラギラしてる」
「もう、ムード台無しだよ。そういうことばっかり言ってると……」
「言ってると?」
「キス、しようかなって言おうと思ったけどやめる」
「なんで!?」
「先に髪の毛乾かさないと…」
「え、いいよ、別に」
「ダメ。風邪引いちゃうでしょ」
光太郎さんのタオルを取って思い切りわしわしと髪の毛のしずくを拭き取った。風邪を引いてほしくないのはほんとだけど、それ以上に今は恥ずかしかったから。