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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


「……無責任だな」
「なんで?」
「お前、さっきから黙ってるけどよ。大学もあるのにどうすんだよ…。もともとメンタルが不安定なのに遠距離なんてできねぇだろ」
「………私、大学辞める」
「は?お前なに言ってんの!?」
「光太郎さんの、お嫁さんにしてもらう…。今、決めた」
「え?マジで?ほんと!?マジで嫁にきてくれんの?」
「お前…、馬鹿も休み休み言えよ。こんなとこ働いてるような経済力もないような奴にお前を養えるわけないだろ?」
「確かに経済力はそんなにねぇな…」
「お金なんて関係ない、私は本気だよ」
「甘いんだよ。第一んな我儘が通るわけないだろ?そんなに大学から逃げたくて結婚したいって言うなら俺が明日にでも役所行って婚姻届とってきてやるから。俺ならお前くらい余裕で養えるし」
「大学から逃げたいわけじゃない。なんでいつもそういう言い方するの?私が決断することは全部逃げるってことなの?」
「現に俺からも逃げてんだろ?」
「逃げたんじゃない。あんなに喧嘩ばっかりなら鉄朗とは別れたほうがいいって本気で思ったの。最後に会った夜に言ったよね?もう会わないって…、鉄朗はそれを承諾したじゃない」
「いつもそう言っては戻ってきてただろ?他に好きな男が出来たからって今回は本気だったとか都合が良すぎねぇか?」
「鉄朗からすればそうかもしれない。何を言っても結局は言い訳なんだよね」
「実際言い訳だろうが…」
「だったら最後にもう一回ちゃんと言うね。信じてくれないかも知れないけど例え光太郎さんに出会ってなくても答えは変わってなかったから………」

こんな風な終わり方をしたくなかったから、あの日私は鉄朗の前から消えたのに。どうして私たちはお互いを罵り合うような最後になっちゃうんだろう。

非力な自分が情けなくて、大嫌いで、でももうこれ以上自分を嫌いになりたくない。



鉄朗、ごめん…。




〝……私と、別れてください〟





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