第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎
鉄朗のことだってちゃんと好きだった。
愛してた?と聞かれたら愛してたって迷いなく言える。
鉄朗といた日々だって嫌な時ばかりじゃなかったし、愛されていた記憶も思い出も沢山あった。今思えば一緒にいることが当たり前になっていて、私はきっと鉄朗以外の選択肢を私は持っていなかったんだ。
でもね、光太郎さんへの想いはこれまで経験したことがないくらいに強烈で、気がついた時には心はすっかり奪われていた。
それは“好き”って言葉じゃ到底足りなくて。
指で触れた唇も、………まだ、熱い。