第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎
「ありがとうございます。ここの食事も美味しいから楽しみです」
「……こっちに来て少しは落ち着けた?」
「ええ、とっても。お陰様でリフレッシュできました」
「ならよかったわね。こっちに来た頃は無理に笑ってる気がして心配してたから」
「だったら光太郎さんのおかげです。私なんかにいつも付き合ってくれてたから」
「光太郎はあんなだからいいの。いつでも遊んでやって」
「仕事の邪魔じゃなかったですか?」
「この仕事は休みがあってないよようなものだからね。やるときにはやってくれるから今は大目に見てるわ」
「今日もお昼から沢に連れて行ってくれるみたいで、楽しみにしてるんです」
「だからあの子張り切って出て行ったのね。今は買い出しに出てるけど午後までには用事も終わると思うから少し待っててね」
「はい。そうさせてもらいます」
「じゃあゆっくりしててね」
それからしばらくして光太郎さんからメールが入った。“昼飯食ったら川行くから準備しといて”そうメールには書かれてある。嬉しくてついニヤけながら“了解です”と返して自分の部屋へと戻った。
スーツケースの奥には着ることはないかもしれないと思っていた水着。人もあんまりいないだろうと思っていたから今回は大人っぽい落ち着いた色のビキニタイプの水着を選んでいた。光太郎さん、気に入ってくれるといいけど…。