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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


≫赤葦side


「…なぁ、飲みたくね?」
「俺もそう思ってました」
「厨房の冷蔵庫に買い置きのビールあるから持ってくるわ。いちかちゃんも飲むだろ?」
「うん、飲む。私も手伝おうか?」
「いや、ここで待ってて。ちょっと行ってくるわ」
「お願いします」

気付けば手持ちの花火も残り少なくなっていた。波の音以外は聞こえてこないこの場所は木兎さんが席を立つと途端に静まりかえる。線香花火がパチパチと火花を散らして実を付けるようにまとまっていくのを俺はいちかさんとただ見守っていた。

「島生活、楽しかったですか?」
「うん…」
「ならよかった」
「今は帰りたくないって思いが強くなっちゃって切ない」
「そんなに気に入ったんですか?何もない島なのに…」
「だからいいんです。……って、京治さん、今更だけど敬語じゃなくていいよ?」
「そうですか?…一応、お客さんだったので」
「でももう友達みたいなものでしょ?」
「そうですね。では遠慮なく…」
「もっと早く言えばよかったんだけど京治さんの敬語、素敵だったから」
「素敵?」
「敬語が似合う人だなって。光太郎さんと一緒だったから余計にそう思っちゃったのかな」
「かもしれないね…」
「京治さん…、私ね、光太郎さんが好き」
「そうだろうなとは思ってたから言うと思ってた。……でもそれ、俺に言ってどうするの?」
「えへへ、予行演習。……でも気付いてたよね?金魚の糞みたいに付きまとってたから」
「いいんじゃない?二人はお似合いだし」
「そう?」
「木兎さんもしょっちゅういちかさんが可愛い可愛いって言ってたし脈はあるんじゃない?」
「光太郎さんって誰にでもああなの?」
「誰に対してでも平等にああだと思う。…でもいちかさんに対しては特別なんじゃないかな?」
「ほんとに?」
「でもそれが女の子として見てるのか妹的な感情なのかは俺にも分からない」
「そうなんだよ、そこなんだよね。…妹って思われてたら勝ち目ない…」
「……それでも告白するの?」
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