• テキストサイズ

(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


民宿を出たときには日も暮れかけていた。浜辺へと真っ直ぐに下る一本道を二人で肩を並べて降りていく。初対面なのに話も弾みいつの間にか敬語で話すことすら忘れていたくらい。

「高校大学は東京だったの?」
「そう。島には中学校までしかないから高校からはみんな東京に進学すんの」
「そっか、じゃあ寮生活?」
「大学もいれたら7年間な。でも楽しかったし結構自由だったから今はいい思い出。いちかちゃんは今大学生だろ?」
「三年生。だから向こう帰ったら本格的に就活が待ってるの」
「んじゃ忙しくなるな」
「だから思い切ってバカンスをって思って来たの。北海道のグルメ旅と迷ったけど、この島の景色見たらこっちで正解だったと思ってる」
「えー?そんなの絶対北海道の方がいいだろ。この島、動物園なんてないぞ?」
「別に動物園はどっちでもいいかな。観光スポットが沢山あると短い滞在時間で回りきれないだろうし今回はゆっくりと時間を過ごしたかったから」
「ゆっくりってんならこの島の方で正解か…」
「明日は海に行こうかなって。ほんとは泳ぎたくて水着は持ってきてるけどもうお盆過ぎちゃったし」
「ああ、クラゲな。俺は全然気にしてなかったけど気にせず泳いでたら何回か刺された」
「うそ?」
「島の子ならそんなもんだって。多少腫れたくらいで問題なし」
「さすがというかなんというか…、たくましいね」
「大袈裟だけどそのくらいじゃないと自然と共存できないからなぁ。…あ、あそこに店見える?」
「うん、あの青い屋根?」
「あそこがタバコから酒、日用品まで揃ってる一番近い店だから。もし足りないもんがあったら20分くらいのとこにスーパーもあるけど大体はあの店で揃うから」
「スーパーって歩いて20分?」
「いや、車で…。山越えないといけないから」
「そっか。じゃあバスとか?」
「一日3本のな。だから用があったらそれも俺に言って?送迎くらいしてやるから」
「ありがとう。サービスは☆5の旅館だね」
「だろ?向こう帰ったら勧めといて」
「うん、そうする」

なんて話しているうちにお店に着いてしまった。中を覗くと中には若い男性が一人いた。
/ 1333ページ  
スマホ、携帯も対応しています
当サイトの夢小説は、お手元のスマートフォンや携帯電話でも読むことが可能です。
アドレスはそのまま

http://dream-novel.jp

スマホ、携帯も対応しています!QRコード

©dream-novel.jp