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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第17章 ❤︎ ぼくなつ 木兎光太郎


「あの、木兎さん」
「んー?」
「遅ればせながら一週間お世話になります、柳瀬いちかです。…よろしくお願いします」
「知ってるよ。年も近そうだしいちかちゃんで。俺も光太郎って呼んでくれていいから」
「え?あなたが光太郎さん?」
「そうだけど…、何で?」
「随分若い人だなと思って」
「ああ、まぁそう思うよな普通。もともとうちは親父が継いでたんだけど今は東京の料亭で働いてんだ。だから今は俺が代わりに旅館継いでんの。…まぁ旅館っていうより民宿寄りだから管理人ってところかな」
「そうだったんですね。でもお一人じゃ大変なんじゃ…」
「おかんもいるし、そんなに部屋数も多くないから全然。数ヶ月単位で部屋を利用してくれる釣り人とかもいて自炊する人もいるから」
「釣り…、そっか、そうですよね。ここは自然がいっぱいですし東京じゃ味わえないですよね」
「自然とか海を目的に来る人って多いけど、けど実際はすることもなくて途中で飽きる人って多くて」
「そうなんですか?」
「大体自然との遊び方も知らねぇのに遊べるわけないじゃんって」
「…あ、じゃあ私もその一人だ」

たまたま雑誌に載ってたからこの場所を選んだんだ。なんとなく自然と触れ合えば気持ちもシャキッとして嫌な事なんて全部忘れて新しく自分が生まれ変わるみたいな…、なんかそんな想像を勝手にしてた。
でもそもそも自然との触れ合い方なんて知らないし、虫だって蛇だってどちらかと言えば嫌い。

今更遅いけど……、やっぱり北海道グルメの旅とかにしといた方がよかった!?

「そうなの?じゃあ俺と遊ぶ?」
「え?」
「どうせ一人なんだろ?俺も忙しい時期も終わったし結構暇してるから。観光スポットはないけど、釣りとか川遊びとか結構楽しいよ」
「じゃあ是非…、お願いします」
「おーけー。後で島も案内してあげるから」
「はい、ありがとうございます」

車は狭い山道を抜けていく。ペーパードライバーな私には運転すら無理そうだけど、車一台が通れそうな道をどんどん進んでいくのはスリルがあってすごく爽快だった。

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