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(R18) kiss hug ❤︎ HQ裏夢

第1章 ❤︎ 指先に触れたもの 及川徹


「せーんぱいっ」
「あれ、及川君?どうしたのこんな時間に」
「今日のスコアシートの提出、忘れてたから」

さっき岩ちゃんからぶん取ってきたのは内緒の話だけど。

「ありがとう。そういえば二年生から受け取るの忘れてたね」
「先輩忙しそうだったからある程度はまとめておきました」
「ほんとに?」
「俺、優秀な後輩だから」
「ほんとだね。すごく助かっちゃう。ありがとう、及川君」
「どういたしまして」
「でも疲れてない?今日も練習メニューキツかったでしょ?」
「慣れてる。こんくらいじゃ根を吐かないよ。それより先輩の方が疲れてるんじゃない?」
「うん。でももう明日で合宿終わりだから大丈夫だよ」
「皆休んでるのにいつも一人でこんな時間までしてたの?」
「まぁね。マネは私一人だし、キャプテンにも頼まれてたからね」
「いちか先輩にも容赦ないんだ、キャプテンって」
「そりゃそうだよ。お前も部員の一員だからって。……でも頼ってくれて嬉しかったの」
「なるほど。…あ、ねぇ、消灯まで一時間くらいだから俺もここでいていい?」
「いいけど、でも岩泉君に怒られない?大丈夫?」
「いいのいいの。岩ちゃんから怒る事奪ったらなぁんにも残らないから。いつもはあえて俺が怒られる役を買って出てるってわけ」
「そっか…。じゃあ、今のは聞かなかったことにしておくね」
「ありがとう。あ、そっちの記録は俺がやるから貸して?」
「いいの?」
「だって俺、後輩だし」
「ほんと助かるよ。及川君、ありがとう。じゃあ早速お願いするね」
「了解です」

渡された記録用紙には監督からのアドバイスまで綺麗な字でまとめられてあった。いつも一人で記録してくれてたのは知ってたけど俺が思っている以上に先輩は皆のために努力してくれてた。ちらっと見えた真剣な表情だってたまらない。それだけでも“好きだ”って言葉が溢れてきそうだった。
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