第14章 ❤︎ 正しい飛雄の煽り方 影山飛雄
「あいつってがっつく系じゃない?」
「若いしそんなもんでしょ?」
「二歳しか違わないじゃん」
「男女じゃ違うよ」
「一方的にされるようなセックスならまだ冷静になれてないだけだから」
「冷静って何よ」
「興奮しちゃって自分の快楽優先になってるってこと。セックスって一方的じゃだめでしょ?お互いがこうエネルギーを供給し合うみたいな?」
「は?」
「お互いの息遣いだけでイッちゃいそうな感じ?分かる?それにいちかもじっと黙ってされるがままってタイプじゃないでしょ?たまには攻めに転じて翻弄させちゃえ」
「………ねぇ」
「何?俺、すごくいいこと言ったよね。お礼ならいいよ」
「いや、兄妹みたいな徹とこんな話してるのが気持ち悪いって思っただけ」
「酷…っ」
「だって私たちもういい歳した大人なんだよ?猥談でも盛り上がるとかもうないじゃん」
「猥談というようはアドバイスなんだけど」
「はいはい、分かった。とりあえず飛雄には何も言わないでよ。意外とそういうの気にしちゃうタイプなんだから」
「少し可愛がってあげようと思ったんだけどな」
「いらないお節介だから。さぁ話が終わったら帰った帰った」
「久しぶりの再会なのにつれないね」
「昨日の飲み会で散々話聞いてあげたじゃん。もう徹の話はお腹いっぱい。私は今から飛雄に電話するからもう帰って」
「なら俺も話す…」
「いいから。はい、帰って!」
しっしと部屋からは追い出したけど徹が言うのも一理ある。バレーはプロ並みでもセックスはまだ初心者な飛雄。少し、考える必要があるかもしれない。