第14章 ❤︎ 正しい飛雄の煽り方 影山飛雄
≫夢主side
風呂から上がると一昨日帰国したばかりの徹が遊びに来ていた。昨日の飲み会で会ったばっかりだから特に珍しくもなく無視して通り過ぎようとしたら“ちょっと話そうよ”と呼び止められた。
私と入れ替わるように風呂へ向かった弟がいなくなり、実家のリビングには私と徹の二人だけ。二人きりになったら絶対、あの話題を振ってくるに決まってる。
「最近飛雄とどうなの?」
「聞いてくると思った」
「だって俺がアルゼンチン行ってる間に二人が付き合うなんて思わなかったもん。聞かされた時はびっくりして心臓が止まるかと思った」
「元々友達だったんだからありえるでしょ?徹には別に関係なくない?」
「あるよ。いちかは俺の大事ないとこなのに。結婚したら飛雄と親戚になるかもしれないし」
「徹に心配されなくても順調だよ」
「セックスも?」
「そういうの聞くの最低」
「向こうでは普通だよ」
「ここ日本だし」
「あいつバレーしか知らないからあっちの知識とかちゃんとあるのかなって中学の時から心配してた。いちかが初めての彼女って言ってたし下手くそなんじゃない?」
「そんなことない」
いや、そんなことは十分にあった。さすが徹というべきなんだろうけど確かに飛雄とのセックスの相性は良くなかった。気持ち良くないという訳じゃないけど何というか求めるものが何か違う的な?